03 春の訪れを告げる・シロウオ – 福岡市西区市民センター

03 春の訪れを告げる・シロウオ

2022年4月30日

西区を流れる室見川に、水温が上がると産卵のために博多湾から上がってきて、春が近いことを告げる魚が白魚(シロウオ)です。毎年2月から4月の初めにかけて川を上り、体長5センチほどのハゼの仲間で、目だけが黒い、白く透明な魚です。

この白魚を「梁(やな)」と呼ばれる柵で囲い込んで漁をするシロウオ漁が早春の風物詩となっています。室見川の筑肥橋の付近では、枝を編んだ部材をV字型につなげて設置し、白魚が入る金網籠(テボ)を仕掛けて捕獲する、江戸時代から続く伝統的な漁法です。

白魚は味が淡白で、よく目にするのは「シロウオの踊り食い」。深さのある大きなお皿に白魚を泳がせて、それを網ですくって酢醤油で噛まずに飲み込むという食べ方です。口の中で踊っているような感覚になるので、その名前がつけられたようです。他にも、お吸い物やかき揚げにしていただきます。この時期にしか味わえない福岡の風物詩です。

写真提供:福岡市